私は,これまで40年以上にわたり作業療法学の教師をしてきました.30年ほど前に,作業療法士はもっと研究をしなければならないとの思いに至り,現在まで研究とは何かと考えてきました.その一つの方法として,大学院で教えたいと思い東京都立保健科学大学(保科大)に赴任しました.そして,保科大とその後継の公立学校法人首都大学東京(首都大)で,修士課程の院生30名,博士課程の院生20名以上の指導にあたりました.現在も,首都大博士課程の院生だった方々の指導をしています.目白大学では,新設された大学院リハ研究科の研究主任として,その後,研究科長として,6年間に作業療法学領域に入学して来た院生を20人以上指導してきました.自分でも,量的研究も質的研究も,ランダム化比較試験もやってきました.これらの経験の中から,大学院に入って来る前に自分のやりたいことを考えて来てほしいと思う院生が少なくないことに気づきました.大学院とは学ぶところではなく,研究するところだ,というのが私の考えであります.
この度,目白大学を定年退職するのを機に,大学院に進みたいが,今一つ院に入って研究することに自信がないという方,人間作業モデル(MOHO)をもっときちんと学びたいと考えている方などを対象に,MOHOを中心とした研究を志向する勉強会(山田塾)を開催しようと考えました.
今年度も都区内で,定員は10名として募集します.定員に達した時点で申し込みを締め切ります.当面は東京を開催地として,山田塾に参加できる方を募集します(東京在住でなくとも通える方も歓迎します).場所は,荒川区東日暮里で,山手線日暮里駅から徒歩5分の本研究会の作業所を予定しています.
今年は鹿児島の方々から,鹿児島と宮崎の方で10名参加が見込まれたために,山田塾の研究法の部分の出前出張講義をすることになっています.
なお,塾生になり,1年間の指導を受けた方は,山田塾同窓会員(賛助会員)となることによって,次年度も参加できます.賛助会員の項を参照して下さい.
みなさん,奮って参加して下さい.
一般社団法人人間作業モデル研究所 代表 山田 孝
1)本塾は,作業療法士の有資格者を対象に,臨床経験とMOHOの知識に基づく実践的研究
を行おうとする塾生.
2)本塾は,大学院に入学したいが,今一つ院に入って研究することに自信がない方で,作
業療法学とMOHOの様々な課題に積極的に取り組む意欲を持ち,高度の専門知識と研究
力を身につけることを目指す塾生.
1)本塾では,基本的および発展的なMOHOの理論を学び,責任ある作業療法士としての研
究遂行に必要なことを学ぶ.
2)本塾では,講義(4−7月)と演習(10−1月)から成り,高度の専門知識を修得することで
,さらに作業療法士としての専門性を高める.
3)本塾では,塾生の問題意識に沿った研究テーマを決定して,計画的な研究指導を行う.
1) 作業療法学の臨床実践から生まれたMOHOの問題意識を研究の視点で捉えなおし,適切
な研究手法を用いて,事例検討,研究論文の作成などにより研究をまとめることができ
る.
大学院に進みたいが院に入って研究することに今一つ自信がないという方,研究についてもっと知りたいと考えている方,人間作業モデル(MOHO)をもっときちんと学びたいと考えている方を対象に,MOHOを中心とした研究を志向する勉強会である山田塾を,2023年度もZoomを用いてリモート開催します.
2023年で6年目になります.過去5年間の受講者は82名がいらっしゃいます。その中から,大学院に進学した方や進学を考えている方も出てきました.その経緯についてはホームページの山田塾の欄をご覧ください.
これまでの参加者は東京近郊の方や鹿児島地区や福岡地区や札幌地区の開催地の方だけでしたが,2020年は新型コロナウイルスのために対面式の講義ではなく,Zoomによる講義を行いました.Zoomを使うことにより,2021年度は全国から希望者を募集できることになり,福島県,群馬県,滋賀県,広島県の方も参加しています.2022年度は兵庫,福井,札幌の方々のほか,茨木,埼玉や神奈川の関東地方の方々など,13名が参加してくれました.
研究について学びたいという方とMOHOを学びたいという方,両方を学びたいという方を募集します.時間は下記を予定しており,1講座を10名程度として実施しようと思っています.皆様,勉強しませんか.
詳しくはメールにてお問合せ下さい.ri.moho.j@gmail.comです.講師の山田孝が対応します.
前半に人間作業モデルの講義,後半に研究法の講義をします.
@行いたい研究や事例報告の概要を発表(研究計画書)
A研究の方法を検討,精巧にする(研究計画書の改訂)
B研究計画書に則ってデータを収集する
C研究報告書を作成して,発表の準備をする
私は山田塾二期生として,山田塾鹿児島に参加しました.山田塾参加前から学術論文や学会発表に強い興味を持っておりましたが,1人ではどうしていいかわからず,キャリア3年目まで学会発表や論文投稿をしたことがありませんでした.それが山田塾で多くのことを学び,修了から約1年半で学術論文4本・学会発表5本(掲載予定や発表予定のものも含む)を経験し,その内の2回は優秀演題賞を受賞することができました.また,その中で“大学院に入って自分の研究をやってみたい”と思うようになり,2022度より鹿児島大学大学院に進学することを決意し,無事に合格することができました.自分がここまで変われたのは間違いなく山田塾のおかげだと思います.
今,このコメントを読んでいる先生の中には,山田塾への参加を迷っている方や山田塾に参加したけど一度挫折してしまった方もおられるかもしれません。私自身,2019年より山田先生から指導を受けておりますが,山田先生は誰に対しても“丁寧に”そして“誠実に”ご指導して下さいます.必要なのは自分の“やる気と継続力のみ”です.もし少しでも自分を変えたいと思っているのであれば,是非勇気を出して参加してみて下さい.山田塾を通して大きく成長した皆さんとお会いできる日を楽しみにしています.
私は山田塾の一期生で,1年間通うことで、研究の基礎や人間作業モデルの知識を学び、また、多くの仲間にも出会い、有意義な時間を過ごすことができました。そして、山田先生に研究のご指導をいただいたことで、自身のクリニカルクエスチョンから研究計画を作成することもできました。山田塾修了後はマイペースでデータ収集をしてデータをまとめていきました。時折は、質的研究の難しさに歩みを止め、研究を離れたこともありましたが、山田塾の仲間の活躍を聞くことでモチベーションを高め、なんとか研究を続けることができました。また、修了後も山田先生は辛抱強く研究のご指導を続けて下さり、2年間をかけて研究を論文として完成させることができました。論文を完成させた経験は、研究に対しての知識を深め、自信にもなりました。そして、自信を持てたことで、大学院に進学し研究を続けていく決心をしました。新たな出会いの中で研究が進められることが今からとても楽しみです。
*岩崎さんは2021年4月から,目白大学大学院修士課程に進学します.
はじめまして.神保匡良と申します。2019年度に山田塾第2期生となり山田先生にご教授を頂き、2021年度より神奈川県立保健福祉大学大学院に入学が決まっております。
私が抱いている大学院のイメージとは、学部教育のような既存の知識を勉強する場所ではなく、知識を生み出す場所であり、その方法を学びに行く場所であるということです。そのためには能動的な姿勢で取り組むことが前提であり、自ら学びの文脈を作り、積極的に経験を積み重ねていくことが求められると考えています。
今ではこのように思えていますが、もともと大学院進学や研究に対しては高い敷居を感じていました。興味はあっても自分にはできないのではないかという不安がありました。しかし、山田塾に通い、講義と体系化された論文抄読や、同期の仲間との対話を通して研究に対する理解を深めるで、心理的な壁を払拭することができました。研究に対する基礎的な理解を深められたことが大学院進学の意志を固めるきっかけとなりました。
大学院での研究テーマは「人間作業モデル(作業療法理論)」と「作業療法教育」です。「人間作業モデル」は作業療法独自の理論であり、養成校でしっかりと教育することで、作業療法業界全体の質を向上させていけるという思いを強く持っています。大学院で研究法を学び、業界に貢献できる能力を身に着けたいと思っています。
大切なことはまずは勇気を出して一歩踏み出すこと、まずは触れてみること、触れ続けることだと思います。生涯かけて追及したいと思えるものを見つけること、そこに向かい歩みを進めることが大学院で学ぶことであると考えています。
山田塾(鹿児島)に参加して
以前より、“研究をしてみたい”、“論文の情報を正確に得ることが出来るようになりたい”と考えており、山田塾(鹿児島)への参加を決めました。
山田塾では、多数の資料や関連する論文を、山田先生が一つ一つ丁寧に解説して下さいました。鹿児島での山田塾は、研究法のみの講義となっておりましたが、最終的には、研究法だけでなく、臨床までも大きく変化したように感じます。
また、私は研究初学者でしたが、初歩的な質問であっても、とても丁寧に、ご指導していただきました。正直、ご多忙の中、ここまで、手厚く指導していただけるとは思っていませんでしたので、本当に頭の下がる思いです。
今回の山田塾への参加は、私の人生にとって、大きな転機になったと考えています。今後も、研究を継続し、人間作業モデルを通して、クライアントによりよい作業療法を提供できるよう精進していきたいと思います。
飯田病院 久木崎航
山田塾(東京)に参加して
作業療法独自の概念的実践モデルである「人間作業モデル」や、「質的研究」について興味はありましたが、いざ本格的に学ぼうと思うと独学では難しく、足踏みしていたのが実状でした。そんな折、この山田塾の情報を知り、すぐに応募を決めました。1年を通しての授業では、山田先生のご指導の元、「人間作業モデル」と「質的研究」にどっぷり浸かることができ、とても貴重な経験ができたと思っています。また、山田塾の大きな利点として、山田先生から直接ご指導を頂けることは勿論ですが、同じ目標を持つ塾生仲間ができたことだと思っています。後期から実際に行った自身の研究では、塾生仲間の力が大きな頼りとなりました。仕事をしながらの研究は大変な時もありましたが、山田先生のご指導と塾生仲間の協力のおかげで、楽しく取り組むことができました。山田塾は、山田先生や塾生仲間と共に、学ぶことの楽しさを学べる場だと思います。この1年の経験は、作業療法士としての強固な礎になったと考えています。今後も皆様とは繋がっていければ幸いです。
山田塾生 平松恭介
山田塾(東京)に参加して
私は病院での臨床業務をする中で,研究について学びたいと思っておりましたが,なかなか研究について勉強する場が無く困っていたところで,山田塾の存在を知り参加させて頂きました.
山田塾では少人数で “研究とはどういうものか”,“人間作業モデルを実際の臨床現場ではどのように使うのか” さらに,自分の目の前の患者さんのことや事例検討についても山田先生からご指導を頂くことができました.
山田塾は,研究や人間作業モデルについての知識を深めることだけでなく,山田先生を始め塾生の仲間,先輩方とも情報交換をする機会もあり,人との繋がりを増やすことのできる場であり,モチベーションを高め合うことのできる貴重な場でもありました.
山田塾に参加させて頂き,研究についての意欲も高まり大学院に入学するきっかけにもなりました.この経験を日々の診療業務や今後の研究に活かしていきたいと思います.山田先生を始め,諸先輩方,塾生の皆様,山田塾に関わる全ての方々に感謝申し上げます.
北柏リハビリ総合病院 リハビリテーション科
作業療法士 岩井英泰
2020年3月17日に山田塾東京2期生の修了式を行いました.
2020年1月12日に,4回目の鹿児島山田塾の講義があり,講義が修了しました.参加者のうち3名が欠席しましたが,皆さん,研究計画を立てることができました.
山田塾2期生との忘年会
2019年12月17日、日暮里のホテルラングウッドのレストランにて
作業療法士として専門性を発揮していくため、作業に基づいた実践理論として代表的な人間作業モデルに興味を持っていました。 加えて、今後のキャリアを考え大学院への進学も考慮し、山田塾への参加を決めました。臨床経験一年目ということもあり不安もありましたが、同じ志を持った仲間がいる環境では自身のモチベーションも高まり、 また山田先生に直接ご指導頂き相談に乗って貰えることはとても心強く、充実して過ごすことが出来ました。実際、人間作業モデルは一度講習会に出るだけでは理解することが難しい理論ですが、 時間をかけ学びを深めていくことで、臨床での気づきや疑問が生まれるようになっていきました。このような発見を活かして、後期では自身の研究計画を作成し、講義の中で発表を通しディスカッションすることで、 より考えをまとめていくことが出来ました。一年という期間で実りある多くの経験をすることが出来たと感じています。この経験を踏まえ、今後も研鑚を積み学会発表ならびに大学院へ繋げていきたいと思います。
東京天使病院 岩崎純平
山田塾のサポーターの賛助会員の方々と理事の方々です.12月11日(火)の夜でした.
3月19日に山田塾の修了式を行いました.修了生との集合写真です.
塾生と賛助会員の方々との集合写真です.